商業高校Q&A
商業高校に関する,皆さんのご質問にお答えします。

Q1.商業高校と普通高校の違いはどんなところですか?
一週間に学習する総時間は普通高校と同様30時間で変わりません。国語や社会,数学,理科,英語などの普通科目を20時間,商業に関する専門科目を10時間学習します。

下記の表は,商業科のカリキュラム例です。黄色い部分が商業科目です。

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1年 国語総合 世界史A 数学Ⅰ 科学と人間生活 体育 保健 芸術 コミュニケーション英語Ⅰ ビジネス基礎 情報処理 簿記 道徳 HR
2年 現代文B 地理A 数学Ⅱ 生物基礎 体育 保健 コミュニケーション英語Ⅱ マーケティング 財務会計Ⅰ 原価計算 ビジネス情報 総合 HR
3年 国語表現 現代文B 現代社会 数学Ⅱ 選択科目 体育 コミュニケーション英語Ⅱ 家庭総合 課題研究 総合実践 経済活動と法 選択科目 選択科目 HR
Q2.商業に関する学科とは何ですか?
今日の社会の経済活動は,世界的規模で営まれており,「生産」,「流通」,「消費」を基本としています。この中の「流通」は,売買を中心とし,運送,保管,金融,保険などの「商業活動」によって成り立っていますが,商業高校では,これらの「商業活動」を合理的,実践的に行うために必要な知識・技術,態度等を学びます。さらに大学進学への道も開けており,検定資格や商業特別枠を利用した推薦入学試験,AO入学試験,一般入学試験により,商学部や経済学部などへ進学する生徒もいます。

Q3.商業に関する学科ではどんな学習をしますか?
学科 学習内容
商業科 商業に関する各分野についての知識と技術を習得し,経営活動などの仕事をする者として必要な能力と態度を身につけます。
情報処理科 情報処理に関する知識と技術を習得し,コンピュータ等を利用した分野の仕事をする者として必要な能力と態度を身につけます。
会計ビジネス科 会計の国際化やコンピュータ化に対応するため,簿記会計にかかわる専門的知識と技術を習得します。会計等の仕事をする者として必要な能力と態度を身につけます。
情報ビジネス科 簿記会計活用能力と情報活用能力に関する知識と技術を習得し,プログラマーやシステムエンジニアなどの専門的な分野の仕事をする者として必要な能力と態度を身につけます。
国際ビジネス科 英語学習に重点を置きながら,簿記会計活用能力と国際交流能力に関する知識と技術を習得し,大学進学等に対応できる学力の向上を図ります。
起業ビジネス科 起業家はもとより,すべての職業人に必要なビジネスに関する基礎的な知識や技術を習得します。デュアルシステムをおこない,さまざまな職業に対応できる能力の育成をめざします。
Q4.商業高校で学ぶ商業科目にはどのようなものがありますか?
分野 科目 学習内容
基礎的科目 ビジネス基礎 商業の学習ガイダンスをはじめ,ビジネスの基礎・基本を学習します
マーケティング分野 マーケティング どのようなマーケティング活動をすれば,消費者に満足してもらえるかを学習します
商品開発 消費者の視点にたった商品開発をおこないます
広告と販売促進 広告や販売促進など販売に関する学習をします。
ビジネス経済分野 ビジネス経済 経済の仕組みについて学習します
ビジネス経済応用 世界経済の理解や地域産業の振興について学習します
経済活動と法 私たちの暮らしや経済活動に関わる法律について学習します
会計分野 簿記 会計帳簿の記録・整理の方法などを学習します
財務会計Ⅰ 企業の姿を,決算書の作成を通して,分析・判断する力を身につけます
財務会計Ⅱ 会計情報をビジネスの諸活動に活用する力を身につけます
原価計算 製造業における簿記や,製品の原価を計算する方法を学習します
管理会計 会計情報を経営管理に活用する力を身につけます
ビジネス情報分野 情報処理 表計算ソフトの使い方・情報ネットワーク・情報モラルなどを学習します
ビジネス情報 ビジネス社会で様々なソフトを活用し,コンピュータを運用する力を身につけます
電子商取引 情報通信ネットワークを活用した商取引を学習します
プログラミング 目的に応じたプログラムの作成方法と知識を学びます
ビジネス情報管理 情報通信ネットワークの構築し,ビジネスで運用・管理する力を身につけます
総合的科目 課題研究 自ら課題を見つけ解決することで,自発的・創造的な力を養います
総合実践 模擬取引を通じ,各分野を総合して応用できるような力を身につけます
ビジネス実務 ビジネス実務に関する実践的な学習をおこないます。

 

Q5.商業科目の全部を学習するのですか?
商業高校では,学科・コースによって,学習する科目が違ってきます。

Q6.検定試験について教えて下さい。
検定試験には簿記・情報処理・珠算・秘書・販売士等の検定試験があります。下記に主催団体毎の検定の種類と取得を目指す検定試験について表示します。

主催団体 検定試験の種類 資格
全国商業高等学校協会 簿記実務検定
珠算・電卓実務検定
情報処理実務検定
商業経済検定
ビジネス文書実務検定
英語検定
各検定とも
1・2・3級
北関東高校商業教育研究部会 簿記実務検定 1・2・3・4級
日本商工会議所 簿記能力検定
珠算能力検定
ワープロ能力検定
販売士能力検定
秘書検定
各検定とも
1・2・3級
経済産業省 基本情報処理技術者
ITパスポート
 

簿記や情報処理などの上級資格を取得し,その資格を生かした推薦入学制度もあります。専門高校から進学すると,大学に入ってからの専門科目の学習が大変有利になります。

Q7.商業高校の進路について教えて下さい。
おもな就職先は,小売卸売,飲食,金融,製造,公務員,病院,介護などの分野です。商業高校の卒業生は企業の即戦力として高く評価されています。
商業高校から大学・短大・専修学校へ進学し,さらに商業の専門性を深めていく生徒も多数います。商業高校にも進学の道が開かれていることをぜひ知ってください。

 

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